SP 警視庁警備部警護課第四係 | |||||||||||||
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ジャンル | テレビドラマ | ||||||||||||
放送国 |
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制作局 | フジテレビ | ||||||||||||
監督 | 本広克行 | ||||||||||||
演出 |
波多野貴文 藤本周 | ||||||||||||
脚本 | 金城一紀 | ||||||||||||
出演者 | 岡田准一、堤真一、真木よう子 | ||||||||||||
音声 | ステレオ放送 | ||||||||||||
字幕 | 文字多重放送 | ||||||||||||
データ放送 | 連動データ放送 | ||||||||||||
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テンプレート:ドラマ
『SP 警視庁警備部警護課第四係』(エスピー けいしちょうけいびぶけいごかだいよんがかり)は、2007年11月3日から2008年1月26日まで、フジテレビ系で、毎週土曜日の23:10 - 23:55(JST)に放送された岡田准一主演の連続テレビドラマ、全11回。初回は15分拡大版で放送した。
日本テレビ系列(NNN)とのクロスネットで同時放送できないテレビ大分では、2008年1月7日より放送済みの回の集中放送を実施した。局の都合により16:9HDではなく4:3SD素材での放送。テレビ大分と同様の理由で同時放送できないテレビ宮崎では同年4月より、系列外局であるTBS系列のテレビ山口では同年2月より、数話ずつ集中放送された。
レギュラー放送のエピソードを時系列に組み替え、さらにレギュラー放送では消化されなかった伏線や最終回のその後を描いたエピソードを追加した総集編の『スペシャルアンコール特別編』が、2008年4月5日21時から『土曜プレミアム』枠で放送。2011年3月4日21時から、映画『革命篇』のプロモーションとして、『革命篇』のメイキング映像を加えた同『スペシャルアンコール特別編』を再放送している。
2008年に映画化が発表され、長らく詳細な情報は公表されなかったが、2010年秋に『SP THE MOTION PICTURE』のタイトルで公開されることが発表された[1]。2010年からビッグコミックスピリッツにてオリジナルを織り交ぜた漫画が連載されている。(原作:金城一紀、作画:灰原薬)
概要[]
警視庁警備部警護第四係機動警護班に所属する、特殊な能力を備えたSP・井上薫とその仲間のSP達が、テロリストと戦う姿を描いたテレビドラマ。「クールにとらわれない」というこの枠の方針により、連続ドラマでは珍しく、放映期間が11月から1月までである。
主演の岡田准一は、『タイガー&ドラゴン』以来2年半ぶりの連続ドラマへの出演。岡田がフジテレビの連続ドラマの主演を務めるのは、このドラマが初である。アクションシーンが多いため、岡田は出演が決定した1年以上前から、役作りのためにスポーツジムへ通いつめて、激しいアクションにも対応出来る体を作っていた[2]。
総監督を務めるのは、『踊る大捜査線シリーズ』や映画『交渉人 真下正義』、『UDON』などの作品を手がけてきた本広克行。連続ドラマの監督を務めるのは『アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜』以来6年ぶりとなる。金城一紀による脚本と、岡田准一と堤真一の組み合わせは、映画『フライ,ダディ,フライ』以来2度目となる。金城にとっては初の連続ドラマ脚本作でもある。岡田と堤は共にドラマ『忠臣蔵1/47』にも出演している。
岡田や堤、真木よう子などの主要キャスト以外の多くは、小劇団の舞台俳優ら200人をオーディションでの即興劇などで審査し、反射神経の良さなどを見て選出した[3]。
登場人物[]
テンプレート:ネタバレ
警視庁警備部警護課第4係機動警護班[]
機動警護班は遊軍で、第1〜3係だけでは手が足りない時の補充要員であり、新人SPはまずここに配置されるという設定である。この為、警護対象(マルタイ)は第4係の担当とは限らず、本来なら第1~3係が担当する人物が対象になる事もある。
- 井上 薫(いのうえ かおる) - 岡田准一、中島凱斗(20年前)
- 警護課第4係機動警護班隊員・巡査部長。国家公務員試験II種合格の準キャリア警察官。1982年12月20日生まれ。6歳の頃、テロで両親を亡くし、その後、叔父である警視庁組織犯罪対策第一課課長・井上[4]の養子となる。前述の偽装テロに巻き込まれた際、現総理の麻田にかばわれたが、この時、笑みを浮かべる麻田を間近で見て以来、憎しみに苛まれている。この両親を目の前で亡くすという衝撃が幼かった彼の脳に影響を与え、幼少期の脳内バランスの構築に狂いが生じてしまう。これにより脳内活性に歯止めがかからず、五感や記憶機能の異常発達に伴い「シンクロ」、「フォトグラフィック・メモリー」等の能力が発現した。
- なぜかいつも手錠の携行を忘れ、必要時には同僚のものを借りる。
- シンクロ
- 原因は神経成長因子(NGF)というタンパク質の血中濃度の異常な増加であり、高過ぎる脳内の活性に伴った感覚神経の過剰反応により、音や空気などに同調(シンクロナイズ)して、その場の異物や違和感を察知する事が出来る。特に緊張下では、アドレナリンやドーパミンなどにより一層NGFが促進される為、その能力が高まる。しかし五感の異常発達は脳に負荷を与え、いずれは脳や精神に異常をきたす恐れがあると専門医は危惧している。その症状は麻田首相の警護を皮切りに悪化が表面化し、街を普通に歩いている時でさえ「シンクロ」が稼働してしまうなど、能力としての域を超えつつある。
- 性格なのか能力故なのかは定かでないが、時折り社会人としてはやや難がある態度をとる場合(上の空、女性に余計な事を言う、上司を前に露骨に不快な顔をする等)があり、要人や秘書から注意を受けたり、“一日中ボーっとしているだけ”と山本に揶揄される事もあった。訓練生時代は能力の高さ故に通常の訓練では訓練にならないため、難易度の高い訓練を受けていた。
- トラッキング
- 残された足跡から、その人物の年齢性別や身体的特徴、状態などの情報を読み取る能力。ネイティブアメリカン(インディアン)が駆使する能力であり、誰でも習得が可能。井上の場合、大学在学中のアメリカ留学時に独自に学んでいる。
- フォトグラフィック・メモリー
- 写真を撮るように一瞬で物事を映像として記憶できる能力。通常は年齢や常識によって失われていくが、NGFの増加により高い記憶力を持つ井上は、過去の記憶さえも鮮明に“見る”事が出来る。
- 予知、妄想
- 豊富な知識やテロについて研究を積み重ねた上に、シンクロやフォトグラフィック・メモリーなどの様々な能力、常識にとらわれない際限なきイマジネーションによって、井上には“妄想”という形で現実に起こりうるテロの状況を的確に、正確にシミュレートする事が出来る。ただしそのビジョンは井上の中に井上自身によって生み出されるものであり、あくまでも結果としての“予知”であるが、テロリストの考えをいち早く読むそれは、彼の中にある深い闇の表れでもある。
- これらの能力によって井上はテロリストを直接逮捕する事になるが、“身をていして要人を護る”という警護課員の適切な職務範囲から外れており、SPの歴史にかつてない前例を作っている。
- 特殊能力の他、SPである以上大前提として射撃の腕も高く護身術・武術・格闘技にも秀でており、跳び三角絞めや腕ひしぎ十字固めから裸絞めへ連携させるシーンも見られる。カリやコマンドサンボなども多少出来るが、習っているわけではない。
- 「シンクロ」でお見合い相手の女性の隠したい部分を指摘してドン引きされたり、理想の女性像が高かったりと本人に難があるため女性に縁がない。読書の趣味があり、スペシャルでは論語を用いて公安に対する皮肉を言ってみせたり、EpisodeⅡでは幅広い科学知識も披露している。どうやら彼の自宅には、テロや犯罪、軍事関連の書籍が大量にあるらしい。
- 尾形 総一郎(おがた そういちろう) - 堤真一、中井澤亮(20年前)
- 警護課第4係機動警護班係長・警部。東大法学部卒でありながら、警察に入る際にキャリアとして警察庁に入庁するのではなく、地方公務員であるノンキャリアとして警視庁に入庁した現場主義者。少年時代に、前述のテロに遭遇しており、その経験がきっかけでSPになろうと決意する。井上同様、麻田を疑問視している。そしてその真相を探るため、井上の両親を殺した山西を追及する。
- 現状での警護体制やテロを軽視する上層部を快く思っておらず、よく上層部と対立する。上層部に咎められる井上を庇うのはもちろん、上司・中尾にも遠慮なく反論する。
- 「寝ぼけた国民の意識を覚醒させる」べく謎の「革命計画」を進行中である。
- 笹本 絵里(ささもと えり) - 真木よう子
- 警護課第4係機動警護班隊員・巡査部長。今作のヒロイン。第4係の紅一点。容姿端麗でクールな情熱家。男勝りの性格と度胸を持ち、口が悪い。射撃の元オリンピック候補選手であり、身体能力も高く、SPとしての資質は男性隊員に引けをとらない。両親からは常に危険と隣り合わせなSPをやめるように懇願されている。井上が新人時代の頃は、彼だけが尾形に特別扱いされるのを疑問視していたが、後に、井上の能力を認めている。その能力ゆえに時に誤解を招き、激しい頭痛やめまいに襲われる井上に、さりげない気遣いを見せるなど、徐々に井上との信頼関係が深まっている。井上同様に勘が良くて行動が早い為、井上とは仕事上のパートナーとして、とても相性がいい。井上にとって最もウマが合う同僚であり、休日には井上と共にバッティングセンター等に行ったりする事もある。
- 握力を鍛える黄色いハンドグリップを愛用。ルービックキューブが得意で短時間で6面揃えていた。
- 「関さばのように身が引き締まった」男性が好みのタイプ。
- 合気道のほかクラヴ・マガを体得している。
- 山本 隆文(やまもと たかふみ) - 松尾諭
- 警護課第4係機動警護班隊員・巡査部長。総合格闘家を目指していた。行き過ぎた行動をとる井上に不快感を示すが、井上の活躍を無かった事にする上層部を良く思っていない。井上を疫病神だと言い張るが、時折り彼を気遣う言動も見せている。彼一人だけが、SPの基本の髪型である七三分けを頑なに守っている。たまに八二になっている。井上の2ヶ月前にこの班に配属されたため、先輩として接している。
- かなりの大食いであり、警護対象者に毒見を求められた時にはかなりの量を食べてしまい、仲間を呆れさせている。
- 多忙な任務のため、高校時代から付き合っている彼女との破局の危機にある。
- 実際に総合格闘技の技を使う事が出来、剛腕を発揮している。
- 石田 光男(いしだ みつお) - 神尾佑
- 警護課第4係機動警護班隊員・警部補。基本的に無口で冷静。尾形をサポートし、笹本、山本、井上の面倒を見るサブリーダー的存在で警護課の誰からも慕われている。バツイチで子供がいるものの、仕事が忙しく会えない日々が続く(本人曰く3ヶ月位)。出動時には3歳の娘の写真をお守り代わりに装備する。井上が新人時代の頃は、その扱いに疑問を抱くが、後に現場で井上の才能に気づき認める。寡黙で意志が強く、不言実行タイプ。井上が尾形と対立した事で、尾形に代わり井上を守らなければならない立場に立つ。井上には非常に甘く、理解され難い彼をかばおうとする。
警察関係者[]
- 原川 幸子(はらかわ さちこ) - 平田敦子
- 警視庁警備部警護課庶務係(警察職員)。兵庫県出身の39歳で勤続20年。趣味は美味しいお店探し。特技は珠算(そろばん)1級。いつも井上の理由の分からない経費請求書や伝票の処理に、困らされている。尾形にひそかな好意を抱いている。
- 中尾 義春(なかお よしはる) - 江上真悟
- 警視庁警備部警護課課長・警視。ノンキャリアながらも課長までのぼり詰めた苦労人。平穏無事に定年が迎えられるようにと願い、はねっかえりの尾形と井上に厳しくあたる。長い現場の経験からSPの苦労を誰よりも熟知している人物でもある。
- 西島 勇司(にしじま ゆうじ) - 飯田基祐
- 警視庁警備部警護課理事官・警視。尾形と同じ東大出身者。
- 田中 一郎(たなか いちろう) - 野間口徹
- 警視庁公安部公安第一課・巡査部長。潜入捜査が得意で、密かに警護を見守る事もある。井上の同期で互いにふざけ合う会話をする。笹本同様、井上の特殊な能力に気づいている。
テロリスト[]
- 大男 - 三代目魚武濱田成夫
- ナイフマニア。スキンヘッドの大男。シネコンで不審者として井上に捕まるや否や、いきなりナイフや剣で襲いかかり激闘の末に逮捕される。証拠不十分により釈放。
- 山西 一弥(やまにし かずや) - 平田満
- テロリスト。Episode III(第5話)から登場。井上の両親を殺した張本人で、20年の間刑務所に入れられる。出所した後は印刷所で働く。
- 『LIVERPOOL cleaning』
- クリーニング屋(清掃業者)を装った4人組の殺し屋で、仕事にリアリズムを求める。Episode II-3(第4話)から登場。仕事依頼が来るまではそれぞれ釣りをしたり、トレーニングをしたり、ボウリングに行ったり自由に生活している。最終話では、田中が『LIVERPOOL cleaning』の車を目撃している。
- グループ名及びメンバーの呼び名や第7話で利用するファミリーレストラン「イェスタデイ」などの名称は、ビートルズにちなんだものであり、グループ名はその出身地であるリヴァプールから、先述のレストランの屋号はその楽曲名から。
- ポール - チョウソンハ
- 丸い眼鏡をかけた男。大の煙草嫌い。大橋暗殺ではジョージと共に当初の実行役で、中国人女性、韓国人に変装しホテルにチェックイン(時にはボーイにも変装する)し大橋を狙う。潜入中、井上の勘の良さに気づく。呼び名はポール・マッカートニーから。
- ジョージ - 中川智明
- 坊主頭の男。ポールと共に当初の大橋殺害の実行担当。中国人、韓国人に変装しホテルにチェックイン。呼び名はジョージ・ハリスンから。
- ジョン - 多田淳之介
- 基本的には仕事依頼などの情報通達係だが、非常時には実行担当に代わり、リンゴと共にターゲットを狙う。呼び名はジョン・レノンから。
- リンゴ - 日下部そう
- 非常時には実行担当に代わり、ジョンと共にターゲットを狙う。呼び名はリンゴ・スターから。
その他[]
- 麻田 雄三(あさだ ゆうぞう) - 山本圭
- 現内閣総理大臣。政和党所属。20年前、自身の人気取りの為に山西に自身を襲わせ、少年時代の井上を庇って救った事で英雄視され現在に至る。テロに対してはかなりの強硬論者である。
- 医師 - 峯村リエ
- 井上を診察する関東警察病院の担当医。
各章ストーリー・ゲスト[]
Episode I[]
(第1話)
井上薫は、特殊な能力を持ったSP(要人警護官)。合コンをしていたところ上司・尾形総一郎から女性東京都知事・大川優子の護衛を命令される。都知事が俳優である甥のプロモーションのため向かったシネコンにて、井上は不審な大男を目撃、激闘の末大男を逮捕する。この行為はSPの活動範囲外の行動であるため、警護課課長・中尾に咎められてしまう。
その後引き続き都知事の警護を続ける井上ら機動警護班。一方で一人の男が都知事への殺意を密かに募らせていた。
- 大川 優子(おおかわ ゆうこ) - 大場久美子
- 井上達が警護する女性東京都知事。
- 郷田(ごうだ) - 夏目慎也
- 新聞記者。東大法学部出身であることを鼻にかけているが、うだつの上がらなさから大川や他の記者からも見下されている。大川への恨みから拳銃を入手し、都知事襲撃を決行する。
- 佐々木 朋美(ささき ともみ) - 井端珠里
- 井上のお見合い相手。井上に自己紹介コメントの嘘や、お見合い前の食事等を次々に指摘され、不愉快になる。
Episode II[]
(第2 - 4話)
警護課の対テロ訓練後、頭痛とめまいに襲われた井上は、病院での検査の結果、脳内の活動が異常に発達していたことが判った。それによって記憶力や五感が優れる反面、このままでは症状が悪化してしまうとの事。「何か幼少期に辛い経験をしたか」と医師に尋ねられるが憶えが無いと返答する井上は、診察結果を聞いた尾形にすら単なる過労と誤魔化す。そんな中、井上と笹本は、検査入院のため大和病院に赴く「加藤元総理の警護」を言い渡される。
元総理の手術が始まる中、突如怪しげな男達により、元総理と医師達、入院患者らを人質にとられ、病院が占拠されてしまう。笹本はテロリストに不意を突かれ拘束され、食事休憩で病院から離れていた井上は危機を察知し、病院に戻り医師に扮して人質に紛れ、制圧のチャンスを窺うことになる。テロリストの計画が着実に進み、麻田現総理の強硬論によって、腰の重かったSATの強行突入の準備が整いつつある中、井上・笹本の反撃が始まった。
- 加藤 純三(かとう じゅんぞう) - 露木茂
- 井上と笹本が警護する元内閣総理大臣。警護中の井上を見て気に入り「政治家にならないか」と声を掛けた。
- 加藤 君枝(かとう きみえ) - 島かおり
- 加藤元総理の妻。
- 加藤 雄大(かとう ゆうだい) - 秋山悠介
- 加藤元総理の孫。
- 富永(とみなが) - 深浦加奈子
- ナース長。銃で脅され情報を与えてしまうも、医者に変装した井上に協力してテロリストらと戦う。
- 飯田(いいだ) - 伊藤正之
- 加藤元総理の秘書。テロリストの要求に成す術も無くそのまま要求に従う。強いものには平身低頭(その逆は言うまでもない)。
- テロリスト6人組
- 全員が元軍人という経歴を持つ集団。元総理を人質にし、身代金代わりとして株取引を利用し大金を手に入れるのが目的。
- 金田(かねだ) - 北村有起哉
- リーダー格。沼田ら5人を率いて病院の占拠を敢行する。常に沈着冷静な態度を崩さない。本人曰く「一度も戦った事が無い軍人」。元自衛官。
- 沼田(ぬまた) - パク・ソヒ
- 井上がテロリスト達を軍人と見破ったのは彼の足跡から。1F制圧担当。
- 垣原(かきはら) - 山根和馬
- 2F制圧担当。
- 小林(こばやし) - 佐久間哲
- 3F制圧担当。独り言が多い。
- 赤城(あかぎ) - 西冬彦
- 4F制圧担当。笹本を拘束した際に「俺たちを倒せるチャンスを2%にしてやるよ」と目の前に手錠の鍵を置き、これが結局は自分に返ってくることになる。
- 吉野(よしの) - 趙珉和
- 金田と共に5Fのナースステーションに陣取る。ネットトレーディングを担当。ストレス回避にチョコレートをノートPCの傍らに置く。
Episode III[]
(第5 - 7話)
都内某所・刑務所面会室。尾形が、今から20年前、麻田現総理を殺害しようと試み、その際に犠牲者となった井上の両親を殺害した張本人、テロリスト・山西と面会していた。尾形は学生の頃あの事件の現場に立ち会っていて、山西があのテロ事件の裏を握っていると問いつめるが、意味深な発言をして不気味な笑みだけを浮かべる。
上層部から証券取引法違反事件の重要参考人の大橋正一の極秘警護を命令された尾形は、井上ら機動警護班の面々と共にホテルに潜む大橋の警護を担当する。清掃員の格好をした男4人組は、同じ事件に絡んでいる男を事故死に見せかけて殺害。ホテル内に潜入し、大橋の命を奪う機会を窺っていた。
大橋は警護の重圧から、ホテルからの逃走を図るまでの精神状態に追い込まれていた。不安が募る井上ら警護班、すると大橋は気分転換にプールに行きたいと言い出す。その会話を盗聴していたあの4人組の実行担当の2人は、「決行」を決意する。
- 大橋 正一(おおはし しょういち) - 片桐仁(ラーメンズ)
- 井上達が警護する通称『裏の金庫番』のシルバー証券社長。傲慢な態度かつ、挙動不審で警戒心が異常に高く、SPを信用しない。おかげで尾形らSP達とトラブルを引き起こす事になる。妻と娘がいる。
- 溝口(みぞぐち) - 須永慶
- 大橋の警護を警視庁に依頼する幹部のひとり。
- 伊勢崎 武則(いせさき たけのり) - 大出俊
- 警視庁警備部警備部長。
Episode Ø Countdown to Crisis[]
(第8話)
井上の過去を描いたストーリー。井上は訓練の最中、次々と張り巡らされた罠を突破するが、最後に警護対象者役を守れず失敗してしまう。井上の訓練の一部始終を見ていた尾形は、井上の話を聞くうちに、彼を仲間として機動警護班に引き入れることを決意、そして井上は、機動警護班に迎えられる。
- 佐伯(さいき) - 高橋洋
- 物語冒頭、井上と共に訓練を受けていた訓練生。
- 工藤(くどう) - 偉藤厚次
- 警察学校教官。井上と佐伯の訓練で、警護対象者を演じた。
- 熊田(くまた) - 古川悦史
- 警察学校教官。警察学校教官講義の中で、SPの最大の武器は「警護対象者との信頼」だと説く。井上の能力を認めているが、現状では井上の能力を使いこなせる上官がいないと考えている。
Episode IV[]
(第9話 - 最終話)
井上ら警護課の面々が、各それぞれの業務を果たす中、尾形は警護課改革案上申書を上司・中尾に提出するが相手にされない。一方で井上の両親を殺したテロリスト・山西が出所してくる。山西の監視を行った田中は言い知れぬ不安に駆られるが、山西は特に目立つ行動はせず、上司に打ち切りを指示される。
機動警護班は永正大学で行われる永正記念館落成式典に出席する麻田総理の警護応援につくことになる。裏では警察の中で暗躍する者が謎の男と、以前逮捕されて釈放された大男に総理の式典の情報を漏らしていた。麻田への憎悪を募らす山西も行動を起こそうとしていた。
式典当日、自分が麻田への復讐を行う黒い妄想に取り付かれながらも職務に就く井上。山西、謎の男、大男も会場に集う。一発の銃声を引き金に「事件」は起こった。
- 木内 教永(きうち のりなが) - 古山憲太郎
- 謎の狙撃手。黒いニット帽を被った男。ある男から麻田総理銃撃を依頼され、高所から狙撃銃(ペイント弾)で相手を狙う。実は警官で、最終話で警視庁警備部警護課第4係機動警護班隊員・巡査部長として配属された。
- 高島(たかしま) - 近江谷太朗
- 麻田総理の秘書。20年前、麻田と共に狂言テロを仕組んだ。
- 室伏 茂(むろふし しげる) - 春田純一
- 警視庁公安部幹部。田中の上司。やっかいなこと、埒が明かないことに対し、「面倒くせ!」と言うのが口癖。
- 梶山 光彦(かじやま みつひこ) - 伊達暁
- 警視庁警備部警護課理事官・警視。西島理事官の後任。尾形と同じ東大法学部出身。尾形のサークル後輩にあたる。
Episode IVex.[]
(スペシャルアンコール特別編)
首相暗殺未遂事件の数日後、井上は公安の室伏と田中から取調べを受ける。井上は警護課に配属されてから担当した都知事警護、病院での要人警護、重要参考人の極秘警護などについて質問を受ける。首相暗殺未遂事件で残された幾つかの謎についても追及される。 テンプレート:ネタバレ終了
スタッフ[]
- 総監督 - 本広克行
- 演出 - 波多野貴文、藤本周
- 原案・脚本 - 金城一紀
- 音楽 - 菅野祐悟
- 編成 - 松崎容子
- プロデュース - 高井一郎
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- 制作 - フジテレビドラマ制作センター
- 制作著作 - フジテレビ
主題歌[]
- 「way of life」 - V6(avex trax)
シナリオ本[]
- 「SP 警視庁警備部警護課第四係」著者 金城一紀/定価 1470円(税込)発売中
- 2008年3月5日、扶桑社より発売。ドラマ全話の内容に加え、金城一紀による脚注も載せられている。
使用楽曲[]
episode I[]
- フランツ・リスト
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- 死の舞踏,S.126
- Jorge Bolet(Piano), London Symphony Orchestra, Ivan Fischer
- エクトル・ベルリオーズ
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- 幻想交響曲 作品14第1楽章
- 夢・情熱
- 幻想交響曲 作品14第4楽章
- 断頭台への行進
- 幻想交響曲 作品14第5楽章
- サバトの夜の夢
- Chicago Symphony Orchestra, Claudio Abbado
episode II[]
- ヨハネス・ブラームス
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- ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83第1楽章
- Radio Symphony Orchestra Ljubljana, Anton Nanut
- ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
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- 交響曲 第10番 ホ短調 作品93第2楽章
- The Philadelphia Orchestra, Mariss Jansons
- 交響曲 第7番 ハ長調 作品60「レニングラード」第1楽章
- Leningrad Philharmonic Orchestra, Mariss Jansons
- 交響曲 第5番 ニ短調 作品47第4楽章
- Wiener Philharmoniker, Mariss Jansons
episode III[]
- ヨハン・シュトラウス2世
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- ワルツ「美しく青きドナウ」作品314
- Wiener Philharmoniker, Lorin Maazel
- フランツ・リスト
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- メフィスト・ワルツ
- レーナウの「ファウスト」による2つのエピソードから第2曲 村の居酒屋での踊り
- Berliner Philharmoniker, Herbert von Karajan
- ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
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- ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13「悲愴」第2楽章
- ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57「熱情」第1楽章
- ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57「熱情」第3楽章
- Emil Gilels(Piano)
episode Ø Countdown to Crisis[]
- モーリス・ラヴェル
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- 亡き王女のためのパヴァーヌ
- Orchestre symphonique de Montréal, Charles Dutoit
- エドワード・エルガー
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- 行進曲「威風堂々」作品39第4番 ト長調
- London Symphony Orchestra, Adrian Boult
- カール・オルフ
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- 「カルミナ・ブラーナ」より おお、運命の女神よ
- Royal Philharmonic Orchestra, Antal Doráti
episode IV[]
- ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
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- マタイ受難曲 BWV244 第2部 第39曲
- アリア「憐れみたまえ、わが神よ」
- The Amsterdam Baroque Orchestra, Ton Koopman
- ジュゼッペ・ヴェルディ
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- レクイエム 怒りの日(続舗)怒りの日
- レクイエム 怒りの日(続舗)くすしきラッパの音
- Berliner Philharmoniker, Claudio Abbado
- エドワード・エルガー
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- 行進曲「威風堂々」作品39第4番 ト長調
- BBC Symphony Orchestra, Leonard Bernstein
- グレゴリオ・アレグリ
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- ミゼレーレ
- The tallis Scholars, Peter Phillips
- ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
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- レクイエム ニ短調 K.626III.続舗 怒りの日
- レクイエム ニ短調 K.626III.続舗 涙の日
- Berliner Philharmoniker, Riccardo Muti
- ヘンリク・グレツキ
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- 交響曲 第3番 作品36「悲歌のシンフォニー」第1楽章
- London Sinfonietta, David Zinman
- ガブリエル・フォーレ
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- レクイエム作品48 第4曲「ああ、イエズスよ」
- Academy of St.Martin in the Fields, George Guest
サブタイトル[]
エピソード | 各話 | 放送日 | サブタイトル | 視聴率 |
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Episode I | 第 | 1話2007年11月 | 3日東京都知事暗殺を阻止せよ | 14.5% |
Episode II | 第 | 2話2007年11月10日 | 元内閣総理大臣を警護せよ | 17.6% |
第 | 3話2007年11月17日 | テロリストを排除せよ | 15.2% | |
第 | 4話2007年11月24日 | 元総理を救出せよ | 15.7% | |
Episode III | 第 | 5話2007年12月 | 1日重要参考人を警護せよ | 14.1% |
第 | 6話2007年12月 | 8日暗殺者を確保せよ | 14.6% | |
第 | 7話2007年12月15日 | 特別警護を完遂せよ | 15.5% | |
Episode Ø | 第 | 8話2007年12月22日 | 警護四係に合流せよ | 12.6% |
Episode IV | 第 | 9話2008年 | 1月12日巨大アトリウムを警護せよ | 13.8% |
第10話 | 2008年 | 1月19日警護課員皆殺しを阻止せよ | 16.6% | |
最終話 | 2008年 | 1月26日動く壁を完遂せよ | 18.9% | |
スペシャル | 2008年 | 4月 5日スペシャルアンコール特別編 ~全11話に新撮シーンも加え再編集! すべての謎にちりばめられた伏線を見逃すな |
21.5% | |
平均視聴率15.4%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
- 初回、平均視聴率が深夜帯ドラマとしては歴代1位、最終回の18.9%は最高で歴代2位という結果となった。また深夜帯ドラマ史上初の平均視聴率15%越えを記録した。
備考[]
- 踊る大捜査線・本広監督作品との繋がり
- 警護課の部屋のセットは、テレビドラマ『踊る大捜査線』の美術スタッフが作っている。内装も湾岸署と似通っている。このことに関し本広は「知っている風景の画面が流れると見たくなるものだと思う」と語っている[5]。
- 石田光男は2007年1月27日にフジテレビ系『土曜プレミアム』にて放送された『トリビアの泉 今夜復活踊る大へぇへぇ祭り!!』内で放送された踊る大捜査線のスピンオフドラマ『警護官 内田晋三』にて主人公の内田晋三の部下として登場している。その時より昇格している。
- 『踊る大捜査線』シリーズを手がけた本広克行総監督による遊び心により、第1話の劇中に映画『交渉人 真下正義』の続編を思わせるような『交渉人2』と書かれたポスターが映っている。他にも第2話では映画『スペーストラベラーズ』や『交渉人 真下正義』に登場したものと同じクマのぬいぐるみが、第5話では『踊る大捜査線』や『交渉人 真下正義』でも登場するボクシングの練習をしている親子も登場している。
- 井上の妄想に出現するテロリスト
- 井上が警護対象者がテロリストに襲われた場合を妄想している時のテロリストは、全エピソードを通じて井上を演じる岡田准一が演じている。この意図は「井上の心のダークサイドの部分を表している」「井上でもテロが簡単に出来てしまう」ということを暗示していると岡田は述べている(めざましどようびの企画「SPSP」より)。
- SPバッジ
- Episode III-1(*2008年1月に放映された『ガリレオ』のスピンオフ作品『ユンゲル』に登場するSPが、本作と同じSPバッジを着けていた。
- フジテレビアナウンサーの客演
- 所々のEpisodeにフジテレビアナウンサーが出演している。EpisodeI(第1話)では東京都知事にインタビュアーとして宮瀬茉祐子アナ、EpisodeIII-1(第5話)の報道番組のニュースキャスターに大島由香里アナ、同じくEpisodeIII-1で道に迷っているエキストラ(人)役として伊藤利尋アナ、EpisodeIV-2(第10話)では女性SP役(部署は不明)として松尾翠アナがそれぞれ出演している。伊藤利尋アナと松尾翠アナはめざましどようびの企画「SPSP」を担当していることから出演が決まった。
- サントラについて
- Avexから発売されたサウンドトラック盤は20曲収録。うち19曲は"Selection Pressure"から"Skin Pop"までSとPで始まる曲名が並ぶ。使用されたクラシック曲は収録されていない。
- 続編を匂わせる演出
- 最終話終了後に続編として映画化の発表がされているがその前に、尾形と井上がにらみ合うラストシーンの直後のカットでほんの一瞬だけ注意して見ないと気がつかないくらいうっすらと画面センターに"つづく"と表示されている。
ロケ地[]
- Episode I(第1話)に登場した都知事が映画の試写会鑑賞(交渉人2)に行った豊洲の映画館は外観が実際の豊洲のららぽーと、内装のロビーはユナイテッドシネマとしまえん、スクリーンはとしまえんではない。
- Episode II(第2〜4話)でテロの舞台として使われた「大和病院」は、現在では使用されなくなった神奈川県大和市にある「田園都市厚生病院」が使われている。元総理が病院に向かう際に家族に見送られて出てきた玄関門は、文京区にある六義園の通用門である。井上薫が診察を受けた関東警察病院は、横浜市立大学附属病院が使われている。
- Episode III-1(第5話)に登場した中央線沿いの釣り堀は、市ヶ谷フィッシュセンターが使われており、テレビドラマ『暴れん坊ママ』から大泉洋・上戸彩、『ガリレオ』から福山雅治・渡辺いっけいらに似せた人物が登場している。
- Episode III(第5〜7話)で大橋正一が潜んでいるホテルは、千葉県千葉市美浜区にある「アパホテル&リゾート東京ベイ幕張」が使われている。大橋正一が移動させられた2つのホテルは、ロワジールホテル厚木及びホテルニューワシントンが使われている。
- Episode Ø(第8話)で、国際石油会館として登場するのは、茨城県つくば市のつくば国際会議場である。
- Episode IV(第9〜最終話)の舞台となる永正大学は、埼玉県立大学が使われており、金城一紀著『SPEED』にも登場する大学である。永正記念館のアトリウムは東京ビッグサイトが使われている。
- Episode IV(第9〜最終話)で、井上薫が幼少の頃に遭遇した殺人事件が起きた駅前広場は、横浜市の開港広場(中区日本大通り)が使われている。事件前日にベンチに座っている井上と山西が顔を見合わせるシーンがあるが、実際の広場にはベンチはない。
劇場版[]
「SP THE MOTION PICTURE」を参照
オリジナルメンバーは引き続き続投し、映画から香川照之が出演。2010年10月30日に「野望篇」が、2011年3月12日に「革命篇」が順次公開予定。
脚注[]
関連項目[]
- 土曜ドラマ
- セキュリティポリス
- フジテレビ
- 踊る大捜査線
- 交渉人 真下正義
- 警護官 内田晋三
- SIG SAUER P230(SP達が使用している拳銃)
外部リンク[]
フジテレビ系 土曜ドラマ | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
フライトパニック(単発1話)
(2007.10.20) |
SP 警視庁警備部警護課第四係
(2007.11.3 - 2008.1.26) |
ロス:タイム:ライフ
(2008.2.2 - 2008.4.19) |
テンプレート:フジテレビ系土曜ドラマ
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